よくある質問

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Q01 輻射空調はどんな用途に最適か?

A輻射冷暖房の最大の特長は「省エネ」、「快適性」、「健康性」です。こうした特長から、最適な用途としてはオフィスビル、医療機関、福祉施設、教育・研究機関、図書館などが挙げられます。
オフィスビルはZEB(ゼロエネルギービル)化を目指しており、今後、ますます省エネが必須条件になるでしょう。知的生産性の向上を目指すためにも、ワーカーにとって快適かつ集中できる環境が求められるものと思われます。
医療機関や福祉施設は体の弱い方が長時間滞在するため、輻射空調のように穏やかで不快な気流がほとんどなく、身体に優しい空調が向いています。
教育・研究機関や図書館では、輻射空調の静かさや快適性が集中力を高めるのに役立ちます。

Q02 輻射空調に向いていない用途は?

Aサーバー室、機械室など、熱負荷の高いスペースには向きません。
また、天井が高い体育館や劇場ホールなどは天井輻射パネルの輻射効果が減少するため、採用には十分な検討が必要です。たとえば、同じ照明器具を天井に設置しても天井の高さによって室内の明るさが変わるように、天井輻射パネルも天井の高さによって輻射効果が変わるからです。ちなみにトヨックスが導入した最高天井高は大学の大教室に採用された3400㎜です。
入り口や窓を長時間開放しているロビーやエントランス、駅のホームなども湿度管理が難しく、パネル表面に結露が発生する可能性が高いため、輻射空調には向きません。
同様に、一般住宅などで外壁部やサッシ窓の断熱性能が低い場合や、外気流入を制御できない場合は、外部負荷変動の影響を受けやすいため、輻射空調には適しません。

Q03 天井から水漏れすることはないか?

A漏水の心配はありません。少なくともトヨックスでは約20年前から輻射空調を導入しており、国内のご採用件数は89件になりますが、現在まで漏水事故は全く起こっていません。
漏水事故がないように配管設計は十分に検討されており、配管材も腐食や強度に鑑みた樹脂を主体とした材質を選定しています。継手とホースの配管接続方法も、漏水が起こらないような特殊な工夫を重ねています。さらに施工者への教育制度を設けたり、ご要望に応じて施工での配管の耐圧・気密検査の指導や立会検査を行ったりすることで万全を期しています。
なお、トヨックスは樹脂ホースと継手の専門メーカーとして50年以上の経験とノウハウの蓄積があり、輻射空調にもその最新技術が活かされています。

Q04 天井輻射パネルの地震対策は?

Aトヨックスの例をとりますと、天井輻射パネルに落下防止用の4点吊りワイヤーを取り付けています。ですから、万が一パネルが天井フレームから外れても頭上への落下防止をはかっております。大手ゼネコンが所有する国内最大級の振動試験機(東日本大震災レベルを再現可能)を使った実証実験で安全性を確認しています。
また、より一層安全性を高めるため、パネルの軽量化や安全金具の開発を進めています。

Q05 冷房時に天井パネルに結露しないか?

A室内空気の露点(結露が始まる温度)を管理することで結露を防止することができます。輻射パネルで露点の制御はできないので、通常は露点制御機能をもった空調機で対応しています。
湿度の高いときに窓を開放しつづけたり、短時間に在室人員が急増したりすると露点を管理できなくなり、結露する可能性があります。
そうした場合の備えとして、結露センサー付き輻射パネルの設置を推奨しています。これはパネル表面の結露(パネル表面がうっすらと曇るような状態)を感知すると輻射パネルへの送水を強制停止する仕組みです。

Q06 輻射空調の立ち上りまでの時間は?

A室内の条件にもよりますが、冷房の場合、約30分程度で適温になりますので、今までの輻射空調方式より立ち上がり時間はかなり短縮されています。実際の運用ではタイマーなどで事前運転します。
また、輻射空調と躯体蓄熱システムを組み合わせ、立ち上がり時の省エネルギーを図るとともに、始業時から快適な室内環境を実現したケースもあります。
なお、立ち上り時間短縮のポイントは輻射パネルの高能力化です。トヨックスでは更なる能力アップの研究開発を進めており、立ち上がり時間はさらに短縮されるものと思われます。

Q07 天井暖房では頭や顔がほてるのでは?

A通常、暖房時の天井パネルの表面温度は30℃程度ですが、輻射の特性として、居住域となる足元から頭上まで20℃前後の均一な室温に保たれます(垂直温度分布参照)。そのため、頭や顔がほてるようなことはありません。実際に、体感者様からもそういったクレームは届いていません。
輻射空調は気流もほとんどなく、30℃の天井パネルの表面温度と32℃程度の体表面温度では温度差が少ないため、体温と穏やかに調和しながらじんわりとした暖かさを感じます。
むしろ、従来の対流式空調(エアコン)は、40℃以上の風を吹き出して室内の空気を撹拌する方式のため、暖められた空気が上に溜まりやすく、頭や顔がほてる原因となります。

Q08 メンテナンスの頻度と内容は?

A天井輻射パネル自体のメンテナンスは基本的に不要です。これは天井輻射パネルの大きな特長です。
ただし、輻射パネルに送水するための配管に付随するポンプ・タンク・バルブ、計器類はそれぞれの法定基準に基づき、15年~20年程度で交換が必要になります。設備設計の条件にもよりますが、保守・点検の契約などを利用して年2回程度の定期点検を推奨しています。

Q09 輻射空調の設備寿命は何年くらいか?

A輻射空調パネルの設計寿命は一般的に30年以上といわれています。ただし、配管付随部品や消耗材については前述Q8のとおりです。

Q10 従来式の対流式空調に比べ、どのくらい省エネになるのか?

A条件により異なるため、具体的数値で「○○%削減」とはいえません。
輻射空調が省エネになる最大のポイントは熱媒体が水であることです。水の搬送動力は空気に比べ、約1/4といわれており、搬送動力を大幅に削減することができます。
また、輻射空調に利用できる水の温度は冷房時16℃、暖房時34℃程度なので、井水や地中熱などの自然エネルギーや二次温水を利用でき、この点でも省エネにつながります。
さらに、対流式空調と比べ、天井輻射空調は、室内の設定温度を冷房時には約1℃高く、暖房時には約1℃低くしても同じ快適性を得ることができます。
ちなみに財団法人省エネルギーセンターの実測データでは、オフィスビル等で室温設定を1℃緩和すれば、約6%の省エネ効果があると確認されています。その観点からも省エネ効果が見込めます。

Q11 室内の温度と湿度はどのようにコントロールしているのか?

A温度の制御は天井パネルの温度ではなく、室内の温度を感知して天井パネルへの送水流量でコントロールします。
湿度の制御は、設計条件を元に除湿外調機やデシカント空調機によってコントロールします。

Q12 輻射空調のイニシャルコストとランニングコストは?

A物件により条件が異なりますので、詳しくはお問い合わせください。

Q13 既存の熱源を利用できるか?

A既存設備が冷温水を使用しているシステムであれば利用可能です。夏期16℃、冬期34℃の冷温水を、熱交換器を介して輻射パネルに供給できれば、熱原の機種や仕様は限定しません。

Q14 改修工事にはどのくらいの期間が必要か?

A条件や内容によりますが、1〜2カ月くらい必要です。
既存天井を撤去し、天井内の配管やダクトの改修工事を行い、新規に輻射天井を設置するため、工事期間中は室内の使用や出入りができません。その間の仮移転先が必要になります。詳しくは、お問い合わせください。

Q15 室内の間仕切り対応は?

A制御区分計画(ゾーニング)を行うことで可能です。輻射空調工事ではレイアウト変更や間仕切りの増設など、将来的な計画を盛り込んだ設備設計が望まれます。

Q16 輻射パネルの天井敷設率はどのくらいが適当か?

A空間の快適性を左右する「平均輻射温度」を上げ下げできる目安として、最低限50%以上の天井敷設率が必要です。天井には照明などの設備も入りますから最大敷設率は70〜80%です。
快適さとコストのバランスや、輻射パネル以外の周辺機器との関係を勘案して最適な敷設率にすることが大切ですので、詳しくはお問い合わせください。

Q17 輻射パネルの能力(性能)はどんな規格に基づいているのか?

A能力測定方法は、 ARCH2017 CHTRS Ver.1に基いています。
この能力測定方法は、2016年に放射(輻射)冷暖房協議会( 略称:ARCH ) の発足にともない、 省エネルギー性等の性能を測定するための技術的評価基準や、その測定方法等の確立を図る為に規定されました。
弊社は国内唯一、この能力測定を行えるARCH認定設備を所有しています。

Q18 「輻射」と「放射」の違いは?

A「輻射」と「放射」は同意語です。弊社におきましては、「輻射」を優先して使用しています。
英語の「Radiation」を「輻射」と訳したのは明治時代。しかし、戦後の当用漢字に「輻」という文字が含まれておらず、その影響か、今でも「ふく射」と表記されているケースもあります。
現在では「輻射」が使われるようになってきましたが、「放射か輻射か」は今も論議の的。あえていうなら、学術的には「放射」が使われ、日常生活では今でも慣例で「輻射」が使われています。
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